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怪奇観測所 Center for Gothic Phenomena

海外の怪奇な話、都市伝説、オカルト話を翻訳してみる。(This website includes English translations of Japanese urban legends, scary tales and strange stories.)

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石ころスープ

戦後の東欧で、大飢饉が起こった。人々は食べ物ならなんでも用心深くため込み、友人や隣人にも見つからないようにした。
そんな東欧の見知らぬ国を、3人の兵士が重い足取りで歩いていた。兵士たちは戦場から祖国へと帰る途中だった。疲れ切っていただけでなく、腹ペコだった。もう何日も食事をとっていなかった。
「今晩はごちそうを食べたいなあ」と一人目が言うと、「ベッドで眠りたいなあ」と二人目が言い、「そりゃ無理だ」と3人目が言った。
兵士たちが歩いて行くと、突然前方に村の明かりが見えた。「食べ物や寝るところが見つかるかもしれないぞ」と彼らは考えた。
村の貧しい農民たちは、よそ者が近づいてくるので恐れた。3人の兵士が道をやってくるのが分かると、村人たちは話し合った。「兵隊が3人来るぞ」「兵隊はいつも腹をすかしているが、村の者は自分たちが食べるのにも困っている。」そう言うと、村人たちは、急いで食べ物を隠した。麦は納屋の屋根裏に隠し、ニンジンは布団の中に隠し、牛乳を入れた容器は井戸の中に隠した。食べ物をすべて隠すと、兵士が来るのを待った。


兵士たちは最初の家で、「こんばんは、腹ペコなんですが、食べ物を分けてもらえません か」と言った。「不作で、自分たちが食べる物もないんです」と、その家の住人は嘘をついた。兵士たちは隣の家に行った。「食べ物を分けてもらえませんか。 あと、今晩眠る場所を貸してもらえないでしょうか」「すみません。別の兵士の方に寝る場所を貸してしまっていて、ベッドは一杯なんです」とその家の者も嘘 をついた。
どの家でも、返事は同じだった。食べ物はないし、寝場所を貸してくれる家はなかった。村人たちには、病人や子供を養わねばならないという十分な理由があった。道端に立ってため息をついている村人たちは、兵士たちと同じように腹をすかしているように見えた。
兵士たちは話し合い、一人目の兵士が大きな声で言った。「みなさん!私たちは見知らぬ国で腹をすかしています。食べ物を頼みましたが、みなさんもお持ちではなかった。しかたないので、石ころスープを作ろうと思います。」そう聞くと、農民たちは兵士のほうを見た。
兵士たちは村人から、大きな鉄鍋、水、薪を借りた。「あとできたら、丸石を三つください。」兵士は石を鍋の中に入れた。
「スープには塩と胡椒がいります」と一人目の兵士が言ったので、子供たちは塩と胡椒を取ってきた。
「石でうまいスープができますが、にんじんを加えるともっとうまくなります」と、二人目の兵士が言った。「あら、にんじんなら1本か2本うちにあるわ」と村の女は行って、にんじんを取りに行った。
「うまい石ころスープには、キャベツを加えるべきなんだが、無いものはしょうがないか……」と、3人目の兵士が言った。すると別の女が、「キャベツなら少しあったと思うわ」と言って小走りに家へ探しに行った。
「少しばかりの牛肉とジャガイモがあれば、金持ちの食卓のスープになるんですが……。」貧しい農民たちは、ひとしきり考えて、地下室に隠していた食べ物を持ってきた。これで金持ちのスープが石ころからできた!まるで魔法のようだ!
「すこしばかりの麦と牛乳さえあれば、このスープを王様のスープにできます!」と兵士たちは言った。村人たちは、麦と牛乳を探し出してきた。
「さ あ、スープができました。みなさん食べましょう!でもその前にテーブルが欲しいですね」と料理人である兵士たちが言った。広場に明かりとテーブルが並べら れ、みんなが席について料理を味わった。「こんなうまいスープにはパンとサイダーが欲しいな」と言って、何人かの村人がパンとサイダーを取ってきた。皆が 晩餐を楽しんだ。
村人たちは、こんな晩餐会は一度も経験したことがなかった。貧しい農民はこんなおいしいスープを味わったことがなかった。しかもこのスープは石ころから作られたのだ!村のだれもが、大いに飲んで食べ大いに歌い、夜遅くまでダンスを楽しんだ。
兵 士たちは、屋根裏でもいいので寝場所はないかともう一度聞いた。村人は「いやいや。あなた方のような智恵をお持ちの方は、村の最高のベッドを使うべきで す。」それで一人目の兵士は、牧師の家に泊まり、二人目の兵士は、パン屋の家に泊まり、3人目の兵士は村長の家に泊まった。
翌朝、村人たちは集まって兵士たちにお別れを言った。「ありがとう。石ころからスープを作る方法を教えてもらったので、もう飢えることはありません」
この話の教訓は、皆が少しずつ持っているものを出し合えば、素晴らしいものが出来上がるということである。

サイト管理者コメント:
どうもソ連共産党による農民収奪が思い出される。兵士が賢者として描かれているのも共産党っぽい。(たしか共産党の組織は軍隊をモデルにしていたはず。)
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