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怪奇観測所 Center for Gothic Phenomena

海外の怪奇な話、都市伝説、オカルト話を翻訳してみる。(This website includes English translations of Japanese urban legends, scary tales and strange stories.)

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ノースカロライナ州ウィルミントンの幽霊

私は、一度だけ確実に幽霊(あるいは超自然的なもの)を見たことがある。少なくとも私はそう思う。それは、私が高校生になったころの、教会青年グループ旅 行の時のことだった。旅行のメンバーはみんな女子で、私たちはノースカロライナ州ウィルミントンのビーチハウスで週末を過ごした。2泊目の夜に、同室の女 の子(以下Bという)のうちの一人が眠りながら叫び声を上げていたため、目を覚ました。私は身を起こし、周りを見回し、Bのベッドのそばに覆いかぶさるよ うにして一人の少女が立っているのが見えた。最初は、別室に泊まっている女の子だろうと思った。しかしよく見ると、そうではなかった。私は完全に目を覚ま していて、少女がBのベッドの周りを歩いているのをのんびりと眺めていた。ふと私は、壁に赤と白のストライプのタオルのようなものが掛っているのに気づい た(しかしこんなタオルは就寝時にはなかった)。私が心底恐ろしく感じたのは、二つのベッドに面している鏡が真っ黒だったことだ。暗闇の中でも、鏡には何 かしら映るものだが、この鏡は完全に真っ黒だった。まったく何も映っていなかった。少女は私が見ていることに気付き、これ以上ない憎悪の目で私を睨みつけ た。彼女の瞳の放つギラギラとした怒りを未だに覚えている。私は全身に寒気を覚えて、震え出し、幽霊がいると叫び始めた。これによって眠りながら叫んでい るBは目覚めなかったが、同室のほかの二人の女の子は目を覚ました。ただ彼女たちは「寝なさい」と言うだけだった。少女の幽霊は消えなかった。一人の女の 子が私に「落ち着きなよ」と言った時も、幽霊は平然と別のベッドの端に立っていて、私たちを見ていた。私は泣きはじめ、布団にもぐりこんで、何とか眠りに 就いた。朝起きてみると、鏡が普通に戻っていて、タオルも壁に掛っていなかったのでとても安心した。もちろん、私は「幽霊だよ!幽霊!幽霊がいたのよ!」 とみんなにまくしたてたが、あきれられて、「クリスチャンは幽霊なんて信じないし、あなたも信じるべきではない」とたしなめられた。(そんなんで説得され るか!)。私のことをホントに馬鹿ねと言いながら、私が夜中に起こした女の子の一人が笑った。私はもう一度話を繰り返した。気味の悪い少女、黒い鏡、壁に 掛った赤白のストライプのタオル。タオルのことを話した時、彼女は笑うのをやめ、変な顔をした。その顔は彼女が私に起こされたときに何かを見たことをはっ きりと物語っていた。私は何も言わなかったが、しかしそれ以来、私の幽霊の話が持ち上がると、彼女はすぐに話題を変えた。
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